ブログ

2021年10月20日

結婚式のコロナ・キャンセル問題について

結婚式のコロナキャンセル

リモートワークやソーシャル・ディスタンスなど、コロナによって世の中の状況はおおきく変わりました。結婚式も、延期や中止が続発。そしてついに、その問題は裁判所へ。まず,、その経緯について調べました。そして、新郎様新婦様と結婚式場それぞれの主張についても。そのうえで、私の個人の見解も少し述べまてみたいと思います。

 

ついに結婚式でも起こったコロナ問題

コロナ問題が結婚式でも起こる

2020年、コロナが世界に襲いかかり、経済状況も生活様式も大きく変わりました。仕事面では、拠点を東京から地方に移転したり、「リモートワーク」という言葉が飛び交いました。会社への出社を控えて、自宅で業務に勤しむというワーク・スタイルが増えました。あたらしい仕事のやり方にスンナリと順応できる社員もいれば、慣れ親しんだ仕事のスタイルから脱却できなかったり、たとえば年齢的な理由などによってスムーズな移行ができない社員もいたりして、なかなか思うようにリモートワークに変更できない会社も、まだまだたくさん見受けられます。なにより、リモートワークでは対応できない職種も多いわけですから、すべてをインターネット環境で解決することはできない、という事実もあります。被害を被った業界は、たとえば飲食があります。営業自粛や時短を要請されたり、酒類の販売停止を言い渡されたりと、その苦悩は2021年になっても続いています。

結婚式も顧客も困惑

人間関係にもおおきな変化があらわれました。「ソーシャル・ディスタンス」という言葉が登場し、人と人との距離を2m空けるといった社会的ルールが浸透しました。マスク着用が必須とされ、外出を自粛する「ステイホーム」という言葉も、世間に広まりました。こういった状況は、もちろん婚礼業界にも影響を及ぼしました。結婚式の延期やキャンセルが相次ぎ、どう対応していかわからない結婚式場(もしくはウェディングプランナー)と顧客とのあいだでトラブルが続出しました。そしてついに、この問題は裁判所へと持ち込まれました。

結婚式のコロナ・キャンセル

おそれていたことですが、結婚式のコロナ・キャンセル問題は、裁判に発展しました。このニュースを知ったとき、訴えた側は新郎様新婦様だとすぐに想像したのですが、じつはちがっていました。結婚式場を経営する婚礼企業が顧客(新郎様新婦様)を相手取り、東京地裁に提訴したのです。新型コロナウィルスの感染拡大を理由に結婚式をキャンセルした新郎様新婦様にたいし、解約料の約209万円を損害賠償として要求しています。これはいったい、どういった経緯なのでしょうか。調べてみると、このような事情がわかってきました。

コロナ・キャンセルの経緯

新郎様新婦様は反訴する意向をお持ちで、下記のような主張をされています。
・コロナは「不可抗力」。つまり、天災などの場合に契約が消滅する状況と同様である。
・成約時に支払った申込金20万円の返還も、もとめる
原告である婚礼企業は東京都に本社をもち、23区内で数店舗の結婚式場を運営しているようです。東京地裁における第一回口頭弁論(2020年6月24日)の訴状で、経緯がある程度わかりました。新郎様新婦様は、2020年2月6日にその婚礼式場が運営する結婚式場でご成約。挙式日は、2020年6月6日でした。しかし、4月7日に緊急事態宣言は発令され、東京も対象地域となっていたため、新郎様新婦様は結婚式場に相談をしました。その際、結婚式場からは3つの選択肢を提示されたそうです。
①予定どおりに開催
②有償対応で延期
③解約料を支払って解約
ちなみに、②の延期については、2020年9月末迄なら、見積全額を延期費用に充てる。③解約料は、成約時の規約に記載されている「解約料」に基づくものとされました。ところが、新郎様新婦様は今回の件は「解約料」の条件に相当するものではなく、おなじく規約に記載されている「不可抗力」にあたるとの主張をし、解約料を支払うものではないという解釈をされています。両者は数度の話し合いをおこなったようですが、けっきょく結婚式当日(6月6日)に新郎様新婦様が来館なさることはありませんでした。これをもって、婚礼企業は「当日キャンセル」とみなし、解約料約209万円を、新郎様新婦様に請求することにしたとのことです。

婚礼企業の主張

この一件以外でも、延期・キャンセルの相談をもちかけるカップルはかなりの数にのぼったようです。すべての案件について、一律に無償対応をしてしまえば、経営破綻に陥ってしまうというのが、結婚式場がいちばんおそれたことです。また、そうならないために「やむを得ず」、今回のような対応に打って出た、とも明言しています。さらには、法務省の見解にもとづき、コロナ・キャンセルは不可抗力には相当しない、という主張もしています。

新郎様新婦様の主張

コロナの感染拡大にともなう緊急事態宣言の発令によって、婚礼企業との契約時に思い描いていた結婚式の開催は不可能となり、社会の動向に配慮もして結婚式を中止することは、不可抗力であって自己都合ではない、というのが新郎様新婦様の主張です。また、6月6日に結婚式場にあらわれなかったという結婚式場側の指摘については、事前に確定的な中止の連絡を婚礼企業にしている、とのことです。

結婚式場はボランティアではない。しかし‥

結婚式場はボランティアではないが

 

大前提として、結婚式場はボランティアで結婚式のお手伝いをしているわけではありません。もちろん、営利目的です。よって、結婚式の延期や中止について、そのタイミングによっては料金が発生するのは当然のことだと思います。が、一方で、近年そういった当たり前のことを契約時に新郎様新婦様にたいししっかりお伝えしているのか、という疑問を感じます。それどころか、成約を獲得したいがために、大幅な値引きやいくつものオプションを無償の特典プレゼントを提示し、けっかとして新郎様新婦様の感覚をマヒさせている、という事実もあるのではないかと思うのです。なにか問題が生じても、お願いをすれば顧客の都合を最優先してくれるのだろう・・といった具合に。裁判の話に戻りますが、私たちはおそらく新郎様新婦様の主張は、却下されると想像しています。はたして・・・。