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2022年1月21日

結婚式キャンセル訴訟、判決くだる!

結婚式のキャンセル訴訟、判決が下る

悲しい話ですが、コロナ禍で結婚式場と新郎様新婦様のあいだで、トラブルが多発しています。いちばんおおきな要因としては、やはり

キャンセルにともなう解約料にかんする見解の相違。キャンセルの時期によっては高額に及びますので、新郎様新婦様にとっては死活問題です。一方、結婚式場にとっても事業存続がかかる一大事です。

 

 

結婚式キャンセル訴訟の経緯

結婚式キャンセル訴訟の経緯について

過去のブログでも触れましたが、2020年以降はコロナ禍による結婚式のキャンセル問題が噴出。訴訟問題にまで発展するケースも、いくつかあります。その中でもネットニュースなどに取り上げられて話題をあつめたのが、東京・南青山の結婚式場と新郎様新婦様(以下、原告)とのあいだで起こった訴訟問題です。経緯としては、2020年3月、東京・南青山で結婚式を開催する予定だったおふたりが、新型コロナ・ウィルスの感染拡大を目の当たりにし、キャンセルすることを決意。挙式3日前に、その旨を結婚式場に伝えたところ、すでに支払っていた615万円にたいし解約料として約485万円が請求され、その解約料を差し引かれた金額が返金されたそうです。原告はこれに納得できず、コロナ禍における結婚式のキャンセルは、規約に記載されている天災時の措置(全額返金)に相当するとして、結婚式場にたいして解約料485万円の返還をもとめ、訴えを起こしたというながれです。
そして2021年9月27日、東京地裁からの判決がくだりました。

今回の判決

「結婚式を躊躇したその心情は、じゅうぶん理解できる」としながらも東京地裁は、キャンセルを申し出た時期(2020年3月25日)は、まだ緊急事態宣言が発令されていなかったこと・その後の休業要請の際には、結婚式場は含まれていなかったことなどを挙げ、「結婚式の開催が、不可能であったとは認められない」という見解を述べました。つまり、新型コロナ・ウィルスのまん延は、「不可抗力」には該当しないということで、解約料485万円の返還は認められないという判決を下しました。

東京地裁の判断

またさらに東京地裁は、その結婚式場の天井高や感染防止対策にも言及し、三密にも該当はしないという見解を示しました。原告はもちろんのこと、結婚式場にとってもなんとも後味の悪い結末だと思います。結婚式場にしても、解約料を確保したかったというより、おふたりの結婚式をお手伝いしたかったという思いが強いはずです。結婚式にかかわる人々の気持ちや努力を、その猛威で粉々に壊していくコロナのおそろしさを実感したような一件です。

「結婚式」という買い物の注意点

「結婚式」を購入する際の注意点

この東京地裁の判決をきいて、「あたりまえだ」という感想をもつ人もあれば、「ひどすぎる」と嘆く人もいると思います。ここに、結婚式という「商売」の抱える課題が、見え隠れします。

なぜ、キャンセル料がかかる?

ひとつのイメージとして、結婚式というのはその当日だけに費用がかかるのではなく、その過程においても費用が発生しているということです。ウェディングプランナーをはじめフローリスト、メイクスタッフ、披露宴司会者、カメラマン、音響スタッフなどが、新郎様新婦様とのお打合せを経て当日の準備に着手しています。打合せはなくても、牧師、聖歌隊、奏者、サービススタッフたち(配膳アルバイト)はスケジュールを抑えられ、引出物や引き菓子などの物品も在庫を抑えられ、出荷の準備がされます。こう書けば、結婚式当日をむかえるまでの過程において、費用が発生していることがおわかりいただけると思います。かりに結婚式がキャンセルになって、解約料が0円だったら、タダ働きとなってしまうスタッフがでてきますし、機会損失といった事態も招きます。

結婚式場の営業にも問題が

そういったことを理解している新郎様新婦様は多い、と思います。ただ、キャンセルのタイミングによっては解約料も高額になりますし、手元になにも残らないわけですから、受け入れがたい現実なのだと思います。キャンセルの際に解約料でモメてしまうのは、結婚式場にも問題があると考えています。たとえば、式場見学に訪れたカップルにたいし、過度な接客サービスをおこなうこと・見積りを提出する際には大幅値引きをして、カップルに即決を求めること・カップルが思案していると、あの手この手の甘い言葉を投げかけ、さらに値引きまたは特典を追加する・・・。こういった営業手法をつかっている結婚式場が、少なからずあると思います。このような営業手法が、カップルの金銭感覚を多少なりとも狂わせ、また無理難題を言っても結婚式場が折れてくれる、という誤った認識を与えてしまうケースがあるように思います。カップルに即決を促す結婚式場のばあい、おのずとそのような営業スタイルを採用するでしょうし、数字を背負わされたウェディングプランナーもしかりです。カップルが理解しておかねばならないのは、結婚式場はボランティアでなく営利目的で結婚式をプランニングしている、ということです。あまい言葉に左右されないで、冷静に規約書を読みこんで、即決でなく自宅に持ち帰りしっかり検討することをオススメします。結婚式を挙げたお友だちに意見を求めることも、今後は必要かと思います。結婚式がトラブルや悲しい想い出に転換するというのは、とても残念なことです。どうか、冷静に結婚式の開催についてご検討してください。また最近は、医療従事者の新郎様(または新婦様)からのご相談も増えてきました。お仕事柄、ナーバスになってらっしゃいます。できるかぎり、お力になりたいと考えています。