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2021年11月14日

「家族婚」のすばらしさを、語ります。

家族の良さを語る

「家族婚」について、ウェディングプランナー時代のわたしの想い出を書かせていただきます。非常におおきな経験でしたし、反省点もあります。「家族婚」はけっして、コロナ禍で披露宴をあきらめたカップルだけの選択肢ではありません。とても意義のある、すばらしい結婚式のスタイルです。いまこそ、「家族婚」をしませんか?

ある家族婚の想い出

ある家族婚の想い出があります
かつて、私が京都の結婚式場でウェディングプランナーをしていた時代の想い出話を、今回のブログで書いてみたいと思います。その結婚式場は京都でも大人気で、お値段もなかなか高価な結婚式をプロデュースしていました。とあるカップルが、秋のベストシーズンにご予約をし、80名のゲストのみなさまをご招待して盛大に披露宴を開催する予定でした。私ではなく、同僚のウェディングプランナーが、そのおふたりの担当を務めることになりました。おふたりともとても明るくて、とてもすてきな印象でした。結婚式儀準備も、いたって順調でした。ところがある日、新郎様からお電話がかかってきました。新郎と新婦そして両家の家族だけで、挙式のみに変更したいとのことでした。しかも、おふたりがあこがれていた紅葉の季節から、夏に変更したいとのこと。この時点で、一ヵ月先の日程です。もちろん、担当のウェディングプランナーもオドロキました。ただ、そのあとの新郎様のお話で、なにも言えなくなってしまいました。

結婚式の予定は、すべて変更に

じつは、新婦様のお父様にガンが発覚。残念ながら、末期という診断だったそうです。お父様が外出できるあいだに、結婚式に参列してほしいという新婦様のご希望でした。もちろん、わたしたちもおふたりのご意向を受けて、変更すべく動きました。おふたりは、土日は結婚式場が忙しいからというご配慮から、平日に変更してほしいとご連絡をくださいました。大変な状況下にあるにもかかわらず、結婚式場にたいしそのようなご配慮をなさるおふたりに、わたしたちはいったいなにができるのだろうと考えました。結論として、余計なことはしない。ただただ、おふたりとご家族の邪魔をせず、すこしでも良い想い出をつくっていただけるようサポートしよう、ということにしました。打合せも、たった2回で済みました。新婦様は当日が楽しみだと、気丈にふるまってらっしゃいました。

見たことない光景

当日、挙式は滞りなく行われました。ご両家の親御様からは何度も御礼を言われ、わたしたちは恐縮するばかりでした。新郎様も新婦様も涙はみせることなく、笑顔でご結婚なさいました。
当初、にぎやかな披露宴を夢見てらっしゃったおふたりなので、スタッフ全員がチャペル後方にならび、退場するおふたりに精一杯の拍手を送りました。扉にむかって歩いていくおふたりの姿が、とてもまぶしかったのをおぼえています。お天気がよく、チャペルもガラスばりでしたので、陽がおおきく射し込んできたのはまちがいないのですが、つとめて明るくふるまうおふたりのすがたなどが、さらにまぶしい光を放っていたのかもしれません。たくさんのご退場シーンを見てきましたが、あのような光景ははじめてでした。

家族婚の意義とは?

家族婚の意義について
この想い出は、約20年前のことです。いまでも、かなり鮮明に記憶しています。振り返れば、結婚式場のスタッフたちがその場にいたことが正解だったのか、非常に疑問に思います。若いスタッフがおおく、当時はよかれと思って衝動的に行動にしてしまったことですが、新郎様新婦様そして親御様に許可をいただいたのか?はっきりと覚えていません。
こういったスタッフの思い込みによる行動は充分気を付けるべきと、いまさらながら反省します。ただ、おふたりはつとめてあかるく振舞ってらっしゃいました。けっしてたのしい結婚式ではありませんでした。「すばらしい」のひとことで表現することも、ちがうように思います。うまく表現できませんが、おふたりのご結婚式には、生命のきらめきが感じられました。そのような経験は、あとにも先にもしたことがありません。

家族の絆こそ永遠

おふたりの結婚式のコンセプトは、ご契約時とそのあとでおおきく変わりました。切実なものへと変わっていったと思います。とくに新婦様にとっては、忘れられないお父様との想い出になったはずです。そしてお父様も、ご自身のために披露宴でなく家族婚にした新婦様のお気持ちを、痛いほど感じてらっしゃったと想像します。「お世話になった方々が、一堂に会する日」「たくさんの笑顔に囲まれる日」「至極のお料理でおもてなし」など、さまざまなキャッチフレーズがある日本の披露宴ですが、家族の絆の前には、どれも敵わないように思えました。

家族婚、いかがですか?

披露宴では、新郎様新婦様の親御様は、末席にお座りになります。かつて、ドイツ人の新婦様から「ありえない」と言われたことがあります。「一番に感謝すべきは、育ててくれた親。だれよりもそばにいてほしい」。日本とドイツの結婚式。どちらか正しいか・間違っているかではなく、まさに文化のちがいです。新郎様は日本人でしたので、わたしといっしょに日本の結婚式の慣習について説明をしてくださったのですが、頑として新婦様はノーでした。だれよりも、親にそばにいてほしい。ひたすら、そのことをわたしたちに訴えてらっしゃいました。
いま思いだしても、とてもすてきな言葉です。大勢でにぎやかにたのしむ披露宴もいいですが、いまこそ家族婚はいかがですか?