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2021年10月21日

縁起物を選ぼう

結婚式の縁起物

縁起物の歴史的な発祥は古く1200年以上前に遡ります。その後の経緯を歴史的背景を見ながら述べていますので、日本の文化としての重要性と結婚または結婚式における必要性を知っていただければと思います。また、具体的なアイテム=かつお節、梅干し、昆布など代表的なものを紹介しています。縁起物を準備する意味として結婚式の「引き出物」についても最近の事情とともに紹介しています。

縁起物とは?その歴史的な発祥

 

縁起物の発祥

まずは「縁起物」の歴史的背景をみてみましょう。

 

その発祥、奈良時代から江戸時代へと

「縁起」が起源となった社寺の創建にかかる説話などのことを言います。日本最古の縁起物は、747年(かの有名な東大寺の大仏の建造がはじまった年)の僧綱所の命による「伽藍縁起并流記資財帳(がらんえんぎならびにるしきざいちょう)」に代表されるように、法隆寺大安寺元興寺それぞれの起源と財産を記したものがあります。その後平安時代前期には本尊の霊験や儀式の由来、高僧の所伝を説いた「長谷寺縁起文」、「興福寺縁起」、「薬師寺縁起」などが生まれました。そして平安末期には霊験利益譚を中心とした「信貴山縁起絵巻」、「北野天神縁起絵巻」などもともとの漢文縁起に対して物語縁起ともいわれる和文体の「縁起絵」が作られるようになりました。一般に縁起物といわれる「酉(とり)の市の熊手」、「招き猫」、「福達磨」、「福助」などは,社寺の参拝日や縁日で頒布した呪物(じゅぶつ)を商品化したもので、江戸時代中期より広く普及していきました。

結婚式の縁起物

 

結婚式の縁起物

祝い事の結婚式において、「縁起物」は欠かすこのできないアイテムです。特にお祝いに来ていただいたゲストに贈る「引き出物」はとても重要です。引き出物はメインの記念品、引菓子、そして縁起物の3品にするのが最も一般的です。基本的に、結婚式に関連するものの数は割り切れない奇数にするのが通常です。地域や家柄の風習などによって引き出物の数が5品、7品という場合もあります。

 

かつお節

かつお節は切り口が、松の木の年輪に似ているところから「松魚節」と呼ばれています。
またかつお節の作り方は、真ん中でいわゆる〝まっぷたつ″に切り分けます。この2つになった身の背中側を「雄節」腹側を「雌節」といいますが、「雄節」と「雌節」を合わせたときにきれいにぴったりと合う姿から″夫婦円満の象徴として認識されるようになりました。

 

梅干し

昔から梅干しは日本の「食の良薬」として「梅干一粒医者いらず」と広く重宝されてきました。また、梅は春を告げる花の先駆けとして、どの花よりも早く、美しく咲く姿を見せ、その生命力は人々を元気にするといわれ、「長寿祈願の縁起物」として定着しています。

 

昆布

昆布は古くから「広布(ひろめ)」と呼ばれています。また、「お披露目」ということばの由来にもなっています。広布は〝広める″につうじることから昆布を贈る文化が根付いています。また、「こんぶ」と「よろこぶ(よろこんぶ)」とをかけて、祝い事の縁起物として日本の文化や人々の生活に広く浸透してきました。

 

赤飯

赤飯には災いを避けて、福をもたらすパワーがあると考えられてきました。それを裏付けるように、その昔は「赤いお米」を神様にお供えして邪気を払う厄除けの意味合いが持たれていました。現代では赤い米は栽培されなくなってしまいましたので、その代用として赤飯は〝縁起のよさ″〝開運のため″と広く親しまれてきました。

現代の結婚式での引き出物(縁起物)事情

 

引出物事情は?

 

日本では古くから風習や仕来りを重んじる文化ですが、色々なものが発達し便利なった現代社会では、それらの「古いもの」は、良いものやこれだけは外せない重要なもの以外は、「断捨離」ということばが象徴するように、どんどん合理化され、そぎ落とされ、シンプルになっています。婚礼業界や結婚式においてもその傾向は強く、昔のそれとは様相が異なってきているようです。
そんな最近の引き出物に関しての一般的な見方や捉え方などを探ってみましょう。

引き出物は本当に必要なの?時代とともに変わってきた引き出物の意味

引き出物の歴史は古く、伝統的な仕来りや、重要な行事として定着しています。がしかし…時代の流れとともにすこしずつ変化もあるようです。
「引き出物」の語源は、馬を庭先まで引き出し結婚相手に贈ったことに由来しています。その後時代の移り変わりとともに、馬から金品になったと言われています。そして「酒宴の善」に添えたり、「招待客への土産物」という捉え方に変わっていきました。かつては「酒宴=披露宴」でふるまわれた料理の一部を招待客の家族への土産物として持ち帰ってもらうことが一般的だったようです。
その後バブルの時代を迎えると結婚式自体が贅沢になり、引き出物も料理と別に品物で準備することが一般的になりました。そこを一つのターニングポイントとして現代では、ゲストに対する感謝の気持ちや結婚の記念品という意味が優先されています。

 

やはり結婚式には縁起物は必要

かつての引き出物は「陶器」や「食器」が定番で、贈る側には人気がありました。が…贈られる側にとっては重くてかさばると不評でした。また、バブルの時代が終わり、景気の落ち込みとともに経済的な余裕が無くなると、「別に引き出物要らないんじゃない?」というカップルがいるのも事実です。とはいえ、「引き出物は結婚式の重要なマナーで必須」という考えが根強くやはり大半です。引き出物をゲストに渡したカップルの割合は全体の95%という統計もあります。そこはやはり日本人らしい、日本の文化の継承と言えるでしょう。